中国~プレイバックマカオ~
2006年10月5日
国慶節という大連休にぶち当たり、大してする事もなく日々が過ぎていく。白人の観光客が中国の編み笠被ってる姿に遭遇するのが唯一の楽しみくらい。
する事が無くても、不思議と耳も中国語に慣れてきてるようだ。レゲエバーに溜まる少年達に、
「ガオリー!(高梨)、どこ行ってきたのー?」
なんて言われたりしても、聞き取ることができる様にもなってきた。だけど、もっと話せるようになりたい、勉強したい!と思う毎日。
そういえば中国語も全然しゃべれなかったマカオ。
マカオの娼婦達が、客の通るストリートを眺めながら歌っていた一つの歌があった。タイトルも歌手名も分からなかったんだけど、物憂げに通りを眺めながら歌うその歌は、どこか切なく僕の中にに自然と入り込んでいて、サビのメロディーを覚えてしまうほどだった。
ここ陽朔の町に来て、まだ友達も出来ない頃はマカオが恋しくて、その歌を口ずさんでいたりした。
僕はその歌が誰の歌なのかがとても気になっていて、仲良くなった人にサビのメロディーを歌って聞かせては、誰の歌なのかを聞いていた。
Y氏の彼女の働く洋服屋さんに行った時に、Y氏の彼女に歌って聞かせると彼女はすぐさま理解して、一枚の紙切れを持ってきた。
「香水有毒」
と紙の上段に書かれたその紙は、どうやら歌詞を紙に書き写したものらしく、漢字がびっしりと書き込まれていた。「香水有毒」というのが、曲のタイトルだと教えてくれた。
レゲエバーでも同様に聞いてみたところ、少年達のお母さんが世代が好きな歌だという。
僕は気になってネットカフェで調べてみた。どうやら最近の子が聞いているのは、古い歌のリメイクのようだった。Y氏に対訳をしてもらったところ、サビの部分は大体こんな意味らしい。
「貴方の体から、彼女の香水の臭いをかいでしまった。
私の鼻はとても罪深いわ。」
どうやらメロディーの通り、切ない別れの歌だったようだ。娼婦達の物憂げな表情の意味がやっと分かった気がした。彼女達の過去に何があったのだろう…。意味深な歌だ。
僕はこの歌の歌詞を自分のノートに書き写して、勉強の材料にした。しかし、19歳のドラマーの悪ガキに笑われてしまった。
「俺はメタルが好きだから、そんな歌は歌わないぜ!」って。
