

「人という石は人でしか磨かれない」~キューバ放浪記・トリニダー~
やはり鬱だと気分にムラがあって、やる気が満ち溢れる時もあれば何もせず泥のように眠りたい時もある。 一時間の中で、一日の中で、一週間の中でとそれらは繰り返される。普通の人だってそうだと思うけれど、楽器のエフェクターの1つである「フランジャー」をかけたように心はうねる。...


人生は苦い、だから…~キューバ放浪記・トリニダー~
実は日本に帰って来てからしばらく経って「鬱病」を発症してしまっていた。 自由気ままに行きたい所に行き、食べたいものを食べ、見たい物だけを見てきた放浪の2年間。 その間に目を背け続けた日本の「現実」って奴に叩きのめされてしまったようだ。...


夜の恐怖とjazz cafe ~キューバ放浪記・ハバナ~
メキシコやグアテマラ、はたまたロサンゼルスのボイルハイツ辺りで感じた、「夜の街の危なさ」。 ロサンゼルスに居た頃、ある日友人に車を出してもらって遊びに出かけた帰り道、僕は「近所のスーパーで降りるよ、ちょっと買いたい物があるから。」と言ったのだが、夜は危ないから車で移動した方...


両手に花でオープンカーに~キューバ放浪記・ハバナ~
さぁ、時が止まったような国のお話を続けようではないか。 キューバ放浪の旅で一番贅沢で幸せを感じた日の話だ。 キューバ滞在4日目、僕は女子2人に囲まれて1956年式だと言うフォードのオープンカーに乗っていた。 彼女たちとはメキシコのカンクンの安宿、「ロサス・シエテ」で出会って...


記録を頼りに~キューバ放浪記~
ちょっとご無沙汰になってしまったけれど、キューバ放浪記の続を書き進めて行こうと思う。 ハバナに行ったのは2017年の3月の事だから、そろそろ一年前の事になってしまうのだが。 一年近く前の事を書いたブログを読めば、「どうせあいまいな『記憶』をもとに適当に書いてるんだろう?」な...


「1つの夢が叶った夜」~旅のお話番外編~
昨日は1つの夢が叶ったような気がした嬉しい夜だった。 この1週間で3度目になる野毛の夜。週末とあって狭い通りは人で溢れていた。 僕はその日初めて顔を合わせた男と立ち飲み屋で唐揚げやなめろうをあてに旅の話に花を咲かせていた。...


チェ・ゲバラの家まで~キューバ放浪記・ハバナ~
「シオマラの家」の朝食はパンに卵焼きとグアバジュースとシンプルなものだった。 コーヒーが付いて来るのも嬉しかったが、何より朝食を取るかどうか確認した後に焼いてくれる卵焼きの暖かさが嬉しかった。 ある朝、僕はそれらを平らげてすぐに街へ出る事にした。...


2円のバスに乗って革命広場へ~キューバ放浪記・ハバナ~
飲みすぎたせいか移動の疲れなのか、僕は昼前まで眠っていた。 安宿にもかかわらずクーラーが付いたドミトリーだったからそんな事が出来たのかもしれない。 宿の無料の朝飯を食べ損ねた僕は通りに出て遅い朝飯を取る事にした。 まずはコーヒーを飲みながら煙草を一服したいところだ。宿の階段...


せっかく女子3人と行動を共にするも1人酔いどれたキューバ初日~キューバ放浪記・ハバナ~
いつの頃からか憧れていたキューバ、その首都ハバナの街は長旅で失われつつあった僕の好奇心を取り戻すに十分魅力的な街だった。いや、街に入る前から何かこうワクワクさせる展開があった。 シオマラの家~ハバナの安宿~に着いたその晩、僕は日本人の女の子3人と連れ立ってオールドハバナを散...


空からカギが降って来た~キューバ放浪記・ハバナ~
空からカギが降って来た。 「シオマラの家」と名付けられたハバナの安宿の玄関口に着いてベルを鳴らすと三階のテラスから誰かが僕を確認し、小さなぬいぐるみの付いたカギを上から投げて来たのだ。 「これがキューバか。」 少しカギを回すのにコツがいるドアを開けるとすぐに階段があった。急...