top of page

インド~Battle of Jaisalmer~

2011年03月31日


二回目のハンピを出たのは、ホーリーと言う祭りの翌日だった。

インド中が無礼講で、皆がカラフルな粉やそれを溶かし混んだ水を掛け合う、鮮やかなイロトリドリの祭り。

 

 

そこから寝台列車に揺られること38時間、さらに二等の席に乗り換え6時間。

ホーリーで染まった洋服を着たインド人に囲まれながら北上し、パキスタンにほど近いジャイサルメールの街へ。

 

 

パキスタンとの間に、タール砂漠を挟んだ西の街。

インドとアラブを結ぶ交易で栄えた城塞都市。

12世紀頃小高い丘に築かれたその砂色の城を中心に街は広がる。

人々の着こなしも変わり、男たちは白いクルタを着て、頭にカラフルなターバンを巻く。

 

 

僕はこの街の名物であるキャメルサファリ、ラクダに乗って砂漠や枯れた荒野を巡るツアーに行きたかった。

 

 

早朝にジャイサルメールに着いたので、客引きに身を任せて宿にチェックイン。これが間違いの始まりだったのかも知れない。

 

 

19歳の客引き。宿についてすぐにでも眠りたかったのに、以前宿泊した客が書いたコメント帳を見ろとせまったり、キャメルサファリの写真を見せてくる。

 

 

日本人のコメントは、従業員皆が素敵でとても良い宿。

だから皆を信じてあげてくださいなどと書いてある。

女の子のコメントだったが、日本で普段ちやほやされない女が勘違いでもしたんだろうなぁ。

 

 

数日宿泊してる間に、色々な国の人と会いキャメルサファリの様子を聞いた。

宿でキャメルサファリを頼むこと自体は問題無さそうに感じた。

商魂たくましいウザいインド人の話を聞きに、何軒ものツアー会社に行くのも億劫で、結局宿に手配を依頼することにした。

 

 

少々高く感じたが、一泊二日のツアーに。

サム砂丘という少し名の知れた砂丘へ行くというのが楽しみだった。

 

 

当日。

8時集合。キャメルドライバーは普通に洋服着たおっさんと子供。

気分を盛り上げようとターバンを買った自分がアホみたいだった。

 

 

フレンチの女の子二人にジャーマンのおっさん一人と一緒に行くことになる。

 

 

初日は枯れた荒野を午前と午後で数時間づつラクダで移動。

途中行く予定ではなかったキャメルドライバーの住む町へ。

子供たちの金くれ攻撃に囲まれる。

 

 

その晩、小さな砂丘で地べたにマットを敷いて就寝。

確かに素晴らしい星空だったが、小笠原の無人島に比べると物足りない。

 

 

二日目、午前中数時間ラクダで移動。

面白くも何ともない景色で昼飯休憩から4時間待機。

帰りがけに寄った村で、ガキの投石にあう。

 

 

終了。

 

 

 

期待していた砂丘に行かず。

宿に帰って、スタッフにどうだったか聞かれ、まぁまぁだと答える。

楽しくなかった様子に疑問を感じた19歳の少年。

 

 

何故かを彼に伝える。

僕は行くと言ってた場所に行ってない、契約の不履行だと言うが、彼は他のツアー客は楽しかったと言っている、問題ないだろと。

 

 

 

アホか。

 

 

 

答えになってないし、謝罪もない。

話し合いにならない。聞く耳持たない。

 

 

 

 

前払いで帰ってきた日も泊まる事にしていたので、話を切り上げ寝た。自分が怒りすぎなのかと考えたりもした。

 

 

翌日、彼とちゃんと話をしようと思って他のスタッフに彼を呼ぶように言ったがこない。電話で話すという。

 

 

話は前日と同じ。こちらの話なんて聞こうとしない。

電話機叩きつけて終了。ビビったのか、その少年はしばらくして登場。

初めから来いっつーの。

 

 

金を少し取り戻したかったが、とりあえずこっちの言い分を聞くまで話してやろうと思った。謝らせたかった。

 

 

宿のフロントで鼻と鼻がぶつかるくらいの距離で、下手な英語で目一杯言ってやった。

 

 

「お前は人の話に耳を貸すべきで、同じツアーで皆が同じように感じるなんてない。日本人が優しい穏やかな人間だけだと思うなよ。俺を煩わせるな。」

 

 

 

さすがに申し訳なく思ったのか、少年は駅まで送らせてくれと言う。

 

 

 

バイクに乗って駅に向かう間、少年はやっと謝った。

ご機嫌取りにマンゴージュースでも飲まないかと言ってきた。

 

 

それを断り、駅に着いてからまた話した。

またこちらの話を遮ろうとした。分かってないな、何も。

はぁ...。

 

 

怒りすぎて疲れたのか、小さな事で怒り続けてもしょうがないと思った僕はありがとう、またねと言って彼と別れた。

かもられる日本人も居れば、怒る日本人も居るのだよ。

でもインド人と討論になるのは面白い気がする。
僕の想像にない答えが返ってきたりするからハッとするし。

当時は怒りばかり感じてたけど、写真で振り返ると非日常的ないい経験ができたな、と思う

移動の途中でご飯作ってもらって

同行した人たちも悪い人でなかったし 左のドイツ人のおじさんの話を聞いて旅の目的地も増えたし

初めてラクダに乗れたし

ラクダが立ち上がるとかなりの高さでびびったり

水場でラクダも一休みしたり

くさい奴だと思っていたけど別れ際にはかわいく思えたり

砂漠にマット敷いて寝て目覚めのチャイが美味しかったり

bottom of page