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イタリア~幻の6速 ローマ-フォッローニカ~

2011年05月18日


ローマを出たのは5月14日、土曜日の昼前だった。
勢いで買ったママチャリに荷物を積んで走り出した。

とりあえず、西海岸線を北上して行けば斜塔で有名なピサまで着くだろうと思い走り始めた。

ローマ郊外まで、交通量の多い国道を走っていたのだが、日本の高速道路をチャリンコで走っているようで面白くも何ともなく、ただ危ないなぁと思うだけだった。

ちょっと回り道になるが、国道を避けて走ってみた。
道はどう走っても繋がるはず。

キツい上り坂を歩いてやり過ごすあいだ、黒人女が藪の端っこにプラスティックの椅子を置き、水のペットボトルを持って立って居たのを何度も見た。何なんだろう、台湾のビンロウ売りのおねーちゃん見たいなもんなのか。

爽快な下り坂を堪能した後、道は畑のど真ん中を突き抜けて行くものだった。なかなかチャリンコもも良いものだ、そう思った。


結局道は国道に戻った。とにかく走った。
初日の晩は、ガソリンスタンドの脇の廃墟の脇で寝た。
ローマのキャンプサイトでも驚いたのだが、ここでも何匹もの蛍を見た。その柔らかなオレンジや緑の光は、一日の疲れを忘れさせた。


数時間の仮眠の後、朝4時に出発。
リフレクターの着いた黄色いベストを着て。
走る車は少ないがひかれたくないし、調べると法で定められていたのだ。


なんでこんなに辛いんだろう、そう思いながらも月光と朝陽に癒されながら朝8時頃にはOrbetelloという大陸と細い道で繋がった島まで来た。疲れたし、キャンプ場に行こうと思っていたが良さそうな場所はなく、公園で食事をしたり昼寝をした。雨に降られもしたが。


17時頃に置き出発。
やんだはずの雨に降られ、少し進んでは雨宿り。
すぐ着くはずだった、Grossetoの街には日付も変わった深夜2時に着いた。ガソリンスタンドのバーでカプチーノを飲んで身体を暖める。なにせ、仮眠をしようと思った手前のガソリンスタンドでは、雨と寒さでねむれなかったのだ。


深夜、街から海沿いに向かう道路は真っ暗だった。
月に照らされた畑をカメラに収めようと思い、自転車をとめてパチリ。ぱらつく雨のせいか、夜の虹が写っていたのには感動した。


飽きるほどまっすぐな林道を走り、朝が訪れる頃にそれが突然終わり街に出た。そこは小さな街だったが、海沿いの丘に古城か教会の建つ素敵な街だった。


支配者達がいびきをかいてる時間帯のサイクリングは良い。
1000のバイオリンはいつでも俺の中に響いている。


そこから、だまされているのかと思うほどの緩やかな登り坂を歩いたりこいだりして進んだ。登り坂と雨は今一番嫌いかもしれない。


限界。たばこを吸っても目がすぐ閉じそうになる。
坂を登りきった路肩で寝た。朝の8時。陽の光が暖かい。


10時頃に起き、幻の6速にギヤが入り、トップスピードで下り坂を走り抜け、Follonicaの街まで走った。



海岸沿いにサイクリングゾーンのある、気持ちの良い街だった。

そして16日の昼、キャンピング・タヒチという安っぽい名前のキャンプ場に入った。ビールを飲み、肉を喰らい、19時前には寝た。


自転車旅、一発目の行程は少し頑張りすぎたかもしれない。
今朝は起きても起きれなかった。

バカも休み休みやることにする。

Orbetello,オルベテッロ 水上に浮かぶ風車

自転車旅をはじめて最初の夕暮れ

トスカーナのどこかの畑

Castiglione della Pescaia カスティリオーネ・デッラ・ペスカーイア

坂道を登るとリアが重過ぎてフロントが良く浮いた

イタリア通りという素敵な名前

フォッローニカの海辺 自転車道が広く心地よい

Camping Tahiti テントからの眺め

塩気が強くていいつまみになった

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