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スペイン~セビリアの暑い夜~

2011年7月7日

 

 

またもずるしてバスに乗り、グラナダからセビリアまで4時間でやってきた。


前回、何も梱包してないので運転手に文句を言われたので、中国人の営む百円均一みたいな店で自動車カバ-を買ってかぶせることにした。


そしてナンシ-、いや自転車はすんなり貨物室に乗せてもらった。



そう。
自転車にはナンシ-という名前がついている。


昔オ-ストラリアで宿の仲間から自動車を買ったとき、私はKENって名前にしてたけどあなたはなんて名前をつけるの?なんて言われた事があったのだ。



そのとき初めて愛車に名前をつける事を覚えたのだ。


ローマでさんざん悩んだ挙句つけた名前がナンシー。
こんなに金のかかる女は初めてで大変だけれども。



セビリアについて、一応調べていたキャンプサイトに向かって走りはじめた。
そろそろ着くかと思ったころ、ガソリンスタンドで場所を聞いてみた。


どこかで聞いた言葉。
ずいぶん昔に無くなったよ、というような返答。


まじか。
ミシュランの地図あてにならねぇぞ。


仕方ないので、ツ-リストインフォを目指す。
しかしその途中でネット屋を見つけたので入ってみる。
ネットで安宿を探すと、ドミトリ-で11ユーロの宿があった。
ネット屋からも近い。下手なキャンプサイトよりも安い。


地図をデジカメで撮って、ナンシ-と向かう。
あっという間についた。



安宿、というより巨大なバックパッカ-のたまり場って感じだった。
部屋数も人も多かったが、ネットフリ-、朝飯つき、久々の宿にしては上出来だった。




40度を超える猛暑でかいた汗をシャワ-で流し、ス-パーに酒でも買いにに行こうと思った。
でもときすでに遅し、スーパーも閉まる21時を過ぎていた。


しょうがないので宿のバーで飲もうかと思って帰ることにした。
その帰り道で、なんだかやたらと人が多い場所にめぐり合う。

多くの人がビール片手におしゃべりしている。



お。


これがBAR、バルなのか。
人が多くてちょっと気がひけたけど、酒飲みの足は止まらずに店に入っていった。


絶え間なくビールを注ぐ店の親父とおばさん。
それを店の外で飲んでる人々にもっていく従業員。
つまみを出したり、伝票代わりの数字をステンレスのテーブルに飲み代を書いていく女。


セルベッサ。
これがスペイン語で言うところのビール。


頼むと、少し大きめのコップに入ったビールが来た。
1.1ユーロ。130円くらいなのか。


サーバーのレバーは横に捻るだけ。
水道の蛇口みたいなもんだ。
泡を出す返しの動きはない。
グラスとサーバの距離で泡を少し作るようだ。


セビリアで飲んだくれると決めていたし、その日の暑さもあってやたらとうまいビールだった。



BARというよりビール屋、なのかもしれない。
でも、つまみのマグロの干物なんかも1.2だか1.3ユーロ。


ほかの客が飲んでいた、ワインのレモンソーダ割り。
サングリアの炭酸入りみたいなもんか。



それもまたうまかった。



フレンチの女の子二人と話したことがあった。
スペインの最初のほうで。


スペインのワインは?と聞くと、最低!なんて笑って言ってた。


でも思った。


こんだけ暑い国で、生のワインを飲むよりもサングリアのように氷をガンガン入れてレモンやなんかのフルーツですっきりさせたほうが、ぐびぐび飲める。そしてうまい。



酒も土地土地で変化、というか飲み方が変わるんだな。



スペインでビールが安いのも納得だ。
暑い国でビールは水のように重要だと思う。
この暑さで、ビールの値段が高かったら暴動が起きるだろう。



そして味をしめた僕は、二日目の夜の今日、4件のBARやCAFEをはしごした。
それでも20ユーロも使っていない。
貧乏旅行者にしては大金なんだけど。


とりあえずビール、が通じるような国。
それでつまらなければ次へ行けばいいのだ。


はじめの二軒はだめだった。
というより、時間が早くて活気がなかったのだ。
20時頃に行ったのだが、店が開く時間であり、客もほとんどいないのだ。



3軒目のタパス、つまみは旨かった。
鳥のつくね団子みたいなもののトマトソース煮。
パンがついて2.5ユーロ。


4軒目は念願の生ハム、ハモンセラーノとワイン。
胃薬を飲みながらも次々と来るオーダーを消化する親父が切ったそのハムは旨かった。


その後タダで出してくれたオリーブの酢漬けをつまみに、ワインのレモンソーダ割りを飲んだ。
見ているとオリーブはお通しみたいなもののようだったけど。


確かにBARで飲めば、スーパーで買ったビールよりも高い。
つまみだって、自分で作ったりスーパーの安いものを買ったほうが断然安い。



でも行きたかったんだ。


大沢たかおが演じるドラマの深夜特急の主人公は言う。
「スペインの夜はバルめぐりにかぎる」と。




行っておかなきゃ後悔するに違いない。
酒飲みが酒場に行かないでどうする。
この旅の最後の贅沢だ。


誕生日も近い。
いや、これはただの言い訳だな。



最後の店の親父が言った。
俺が知ってる単語でそれを語るとすれば、「また明日な」って。


マニャーナ。
明日。



じゃあ明日も行くよ。
他で飲んで酔った帰り道に。

このカウンターにチョークで飲んだ分を書かれていく

ここは繁盛店だったのか店外にも沢山の立ち飲み客が

鳥団子のトマト煮

一番通ったバル カウンターの奥のおじいさんも良くいたな

生ハムとワイン これがやりたくてセビリアに来た

街中の建築を見ていても楽しい

イタリア、フランスと比べるとスペインの建築は自由な気がする

一度ムスリムの支配下に置かれたせいなのだろうか

酒屋だったのか、壁に描かれた広告なのか スペインはインドのようにカラフルだ

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