テキーラでおじさんぽ~グアナフアトへ
- ナシオ
- 2015年11月19日
- 読了時間: 4分

グアダラハラからバスでおよそ4時間、世界遺産の街グアナファトへやって来たのは昨日の夕方。 ガイドブックに載っていた安宿にチェックインしたけれど、夕飯を作ろうと思って台所に行ったら無数のゴキブリがシンクを占拠していたので、今朝宿を変えて今に至る。 ティファナで痛い目を見たせいか、思いのほかグアダラハラに長居してしまった気もする。 グアダラハラの宿では沢山の面白い出会いがあった。 女遊びの為に長居していると言っても過言ではないスイス人の若者、日本びいきのルーマニア人カメラマンに、ギターは上手いがセックスと身体を鍛える事しか頭にないような脳筋オランダ人とかアメリカ海兵隊あがりの眼差しの鋭いホンジュラス人だとか。
グアダラハラを離れる前日、そのルーマニア人ともう一人髭のオージーとテキーラに行ってきた。テキーラはもちろん酒の名前であるが村の名前でもある。グアダラハラから400ペソで工場見学を含めたツアーが組まれてたりする。 ずいぶん高いツアーのような気がしたので行くのを躊躇っていたが、髭のオージーがツアーに頼らず自力で行けば安く済むぞ、と言うのでグアダラハラ滞在を一日伸ばしてテキーラに行ってきた。
グアダラハラ~テキーラの往復のバスは150ペソだったか。直行のバスではないので、いくつものバス亭で地元の人間を乗せたり降ろしたりして時間をかけてテキーラの村に着いた。 三十路四十路のおじさんぽ。僕たちはテキーラを飲みたくてうずうずしていた。 村について早速テキーラを売る店に入って試飲をさせてもらう。 7か国語を操るルーマニア人カメラマンがスペイン語を英語に訳してくれる。 これは何年物だとか、~と言う木の樽で寝かせただとかを教えてくれる。 10年物だったか、茶色くなったテキーラを飲んでびっくりした。 ただただきつい酒というイメージのテキーラだったが、そのテキーラはまるでブランデーのような味わいだった。あぁ、なんて美味いんだ。 そのあと、日本でも有名なクエルボやらサウザーの所有する庭園なんかを覗いて歩く。元は彼らが住んでいた邸宅だったと言うような説明を受けた気がする。 良く歩いたせいかテキーラのせいか腹も減ったのでその辺の食堂へ行き、ビリア(肉のスープ)とビールを詰め込んだ。 さて後半戦、工場見学に行くかその辺で試飲を重ねるかを迷っていると工場見学ツアーの客引きから声がかかる。 一人200ペソと言うのを100ペソにまけさせて、テキーラの樽を模したミニバスに乗り込む。 するとそこには3人の先客がいた。黒髪で長身の美女とその両親。 ぼくらおっさんは目を合わせにやける。 バスは村の観光スポットをいくつか廻った後、orendainという日本ではあまり馴染のないテキーラのメーカーの工場見学に行った。 まだ高校生くらいの英語ができる工場見学のガイドの女の子の後にくっついておじさん達は歩みをすすめる。美女とその両親はスペイン語のガイドに着いていったのでしばしお別れ。 まずはテキーラの原料となるリュウゼツランの根の部分であるアガベの収穫の時期や雄雌の判別方法などを聞く。その後、直径1m近くもあるアガベを焼く窯を見る。そこで燻されたアガベから汁を搾り取って温度管理のもと発酵をさせるタンクを見て、最後に蒸留器の前でめでたく試飲となる。 そこで飲ませてもらった度数55度のテキーラは普段飲んでいる物以上に胃が熱くなり、お代わりは丁重にお断りした。他の2人は躊躇することなくお代わりをしていたけれど。 僕らおじさんたちは終始いろいろなものに面白がっていて、えらく楽しい工場見学となった。 工場見学を終えた後、バスがお迎えに来て美女とその両親と再会して村の中心へと向かった。 ルーマニア人カメラマンは親御さんを気にせず、携帯番号を交換したりカメラマンとしての名刺を渡したりと、スケベおやじフルスロットルである。 皆で一本お土産にホセ・クエルボの小さ目のボトルを買って帰ることにしたのだが、その寄り道のせいか目の前でバスを一本逃すと言う喜劇を演じてしまう。 缶ビールを飲んで時間を潰し、ちょっとくたびれたおじさんたちは無事にバスに乗り宿に帰りましたとさ。 宿に帰ってまたテキーラで乾杯しちゃったから昨日の移動は頭痛かったけど...。
愉快な連中に出会えて良かったぜ、グアダラハラ。
Comments