ドローレス・イダルゴの町へ
- ナシオ
- 2016年1月7日
- 読了時間: 6分

未だに「おはよう!」と言うつもりが「こんばんわ!」になったりしてしまうナシオです。
少し前に宿のフロントでスペイン語の練習がてら宿のスタッフに近場の街の様子を聞いてみた。 注文したペンキがすぐには来ないというので、近場の街へ遊びに行ってみようと思ったのだ。
ペンキが来ないと仕事としてはやる事がない。 宿でスペイン語の勉強するにも何だか気が乗らない。グアナファトの街を歩くにしても少し新鮮味がない。
そうだ小旅行しよう。となった訳だ。
色々聞いたところによると、一番近い所だとドローレス・イダルゴと言う町があるという。 ガイドブックにも申し訳程度に載っている程度の町だ。
ドローレスの叫びと言われるイダルゴ神父の演説が1810年に行われた町であり、その演説が発端となってメキシコ独立革命が始まったという。
スタッフに教わった通り宿の前からバスに乗ってグアナファトのバスターミナルへ行ってバスを乗り継ぎドローレス・イダルゴへ。ターミナルまで6ペソ、ターミナルからドローレスまでは74ペソだった。
道中バスから見える景色は枯れた大地とうちわの様なサボテンが見えるだけ。

一時間半ほどかかって到着したドローレス・イダルゴの街はグアナファトと違って平坦で、高い建物も教会くらいしかない感じだった。 こんな小さな町から独立運動が始まったのか、と思うほどこじんまりとしていた。

昼過ぎに着いたのでまずは昼食をと思い、大好きなトルタを食べることに。 とりあえず観光の中心へ向かいイダルゴの銅像のある広場の横のトルタ屋でチョリソートルタを食べた。チョリソーと言ってもソーセージそのものの形ではなく、バラバラになった香辛料の効いた挽肉だ。
腹も満たされたので、イダルゴ神父が演説をした教会へ。

広場の目の前にある教会は多くのメキシコ人にも観光の地であるようで、沢山の人が記念撮影をしていた。
中へ入ってみると、中央の祭壇の左右の壁に木の彫刻が壁一面にあった。 聖人やら天使やらが壁からせり出すように作られている壁。

メキシコに来てからよく見る気がするスタイルだ。 真下から見るとインドの寺院の装飾の様にも見えてくる。
左の壁は金色に塗られているが、右側は塗装と言う塗装がされていない。 その塗装のされていない側で椅子に座っていると、奥にある部屋で祈りを捧げる人を見かけた。
こういう場所に来ているから見かけているだけなのかも知れないけど、メキシコの人は信仰が篤いなぁと思ってしまう。

グアナファトでもバシリカの目の前を通りすぎようとする人が胸の前で十字を切っていく姿もよく見かけるのだが。
教会見学もそこそこに、外に出て何か面白いものは無いかを探した。 教会を出てすぐ右の建物に向かってみた。するとすぐに、メキシコ独立宣言200周年博物館なるものを発見。
いや、正直に言うと[Museo del Bicentenariot]という博物館の看板を見たが意味がが分からなかった。 museoは博物館と言う事しかわからないのでBicentenariotは人物名とでも考えていた。 ビンセンテナリオさんの博物館。
入り口の受付に英語のパンフレットでもあるかと思ったので向かってみたが、受付の人と意思の疎通が図れずに困ってしまった。しかし簡単な英語が話せる人が来て説明してくれたのでようやく正体が分かった。
Bicentenariotは200周年をを意味していて、ここはメキシコ独立宣言200周年博物館なのだと言う事が分かったのだ。
はーんなるほど!と感心して鑑賞することに。
中へ入ると中庭を囲うように部屋があり二階建ての白い壁の鮮やかな空間だった。 一階には大きな鐘があるだけで、メインの展示は二階にあるようだった。 しかしただの鐘でなく、イダルゴ神父が演説した時に打ち鳴らした鐘らしかった。

グアダラハラのハリスコ州庁舎で見たオロスコの描いた「立ち上がる僧侶イダルゴ」を思い出させるような壁画を眺めながら二階へ上がると係員のお姉ちゃんが友達と話に夢中になっていた。

係員に指さされた方向へ進むと特設展示で画家たちがグアダルーペのマリアを思い思いに描いた展示があった。アニメ調のマリアだったりマリアの姿がトウモロコシになっているものだったりと、グアダルーペのマリアが好きな僕にとっては非常に面白い展示だった。

さらに進んでいくと独立運動に関する展示があった。 昔のグアナファトの街並みの写真や古い紙幣など様々な品が展示されていた。

博物館や教会は街の喧騒を離れることが出来る静けさがあって心が安らぐものだ。
博物館を堪能したあと町をぶらぶらしてみた。 宿のスタッフが言っていた通りブーツ屋さんが沢山あって、広場には沢山の味のアイスを置く屋台があった。アイス屋でテキーラ味を注文して公園のベンチで食べてみた。プラスティックのカップに山盛りのアイスは変なテイストかと思いきやなかなか美味い。

小さいのを頼んで他の味も試せば良かったかな、なんて思ったほど量が多かった。
そのあとしばらくぶらぶらしていたが観光の中心から離れてしまうのも少しおっかなかったし、夕方5時になろうとしていたのでバスターミナルに戻ってグアナファトに帰る事にした。ターミナルまで行かず途中下車して歩いて宿に帰ると途中風船売りをたくさん見かけた。

ドローレス・イダルゴの町でもたくさん見かけた風船売り。
宿に帰って話を聞くとその日は「三賢人の日(dia de Reyes Magos)」という日の前日だった。 キリストの誕生を祝うために東方から三人の賢人がやってきて贈り物をしたという話からくるお祭りらしい。 その日は子供たちにプレゼントが贈られるらしく、お祭り気分を盛り上げる為「Reyes Magos」と書かれた風船が売られていたようだ。 夜9時頃、宿の前をオープンカーに乗った三賢人に仮装した人が通りにいる人達へお菓子を投げながら通り過ぎて行った。三賢人以外にもスパイダーマンやらピッコロ大魔王だったりと、ただの仮装行列みたいな感じも否めない。

それを見た後宿で三賢人の日当日に食べるはずの菓子パン「ロスカ」をごちそうになった。 小さな人形が大きなドーナツ型の菓子パンにいくつか入っていて、それが当たると一年幸福であるがタマレス(トウモロコシの蒸しパン?)を皆へ買わなくてはならないらしい。
幸か不幸か人形は入っていなかったけど、丸一日観光気分で楽しめた良い一日だったな。
注文したペンキが来たので昨日再塗装をした。 今度は上手く行くはずだ。 翻訳した説明書きによるとペンで書けるまで一週間の養生期間が必要なのは勉強したし。
一週間後、マスキングではがれてしまったフチの塗装をしたらようやく完成だ!
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