ガングロちゃんと再会~トルーカ~
- ナシオ
- 2016年8月1日
- 読了時間: 5分
この3日ほど腹痛でウダウダしている。屋台の飯に当たったか飲み過ぎか…。
飯を抜いたりしたけども回復する兆しがないので薬局で薬を買って来た。 「これは1回2錠、1日2回飲んでね。」 なんて薬剤師の言った事が理解出来て、自分のスペイン語も少しは進歩した気がした。 僕には沢山のスペイン語の先生がいる。 先生と言っても現地で出会ったメキシコ人の友達だが。 彼らとメールしたりしながら、良く使われる言い回しを覚えたりボイスメッセージを聞いてリスニングの練習をしてみたりするのだ。 そんな先生の1人、前回のメキシコシティ滞在中に原宿系ファッションのイベントで出会ったガングロちゃんと先週再会して来た。

待ち合わせ場所は宿の近くにある革命記念塔だ。前回会った時はガングロメイクだったので、今回メイクを変えて僕が彼女を発見出来るか少し不安だった。 革命記念塔の真下でキョロキョロ辺りを見回して巨漢の、いやマシュマロ系女子を探す。 ラバーソールを履いたマシュマロ系女子と目が合う。ガングロではないので一回視線を逸らす。 しかしもう一度良く見てみる。 あの頼れる後ろ姿は彼女に違いない!と思い近づくと再び目が合ったので手を振る。 向こうも手を振り返してきた。 やはり彼女だった。ガングロで無いだけでこうも判りづらいものなのか! 再会の挨拶をして、早速彼女が住むトルーカと言う町へ向かう事になった。 彼女の友人も居たのだが、友人もマシュマロ系。頼れる女子2人に挟まれながら、地下鉄を乗り継ぎバスに1時間半ほど揺られた。 トルーカのバスターミナルまでは行かずに、途中下車してローカルのバスに乗り換えた。その際彼女に、 「強盗がたまに出るから大きなお金は隠しておいてね♡」 と可愛らしくもおっかない話を聞いたので、靴下に金を隠す事にした。 30分くらいのローカルバスの移動の最中、彼女達にスペイン語のスラングを教えてもらった。覚えたてのスラングを使うと彼女達は大笑いしていた。 バスを降りると辺りは真っ暗。街灯がほとんど無く、頼りになるのは所々にある商店の灯りだけだ。 すぐ側にあった屋台でタコスの様な物を買い、コンビニでビールを買って家に向かった。 ガングロちゃんは諸事情により僕を家に泊められないとの事だったが、今一緒に居る友人の家に僕を泊める手はずを整えていてくれた。 ガングロちゃんの友人の家に行き、食事を取りながら軽くビールを飲んだ。ガングロちゃんの友人の彼氏も居て、4人でしばらくダラダラ話したりした。 夜も更け、いざ寝る時間になって驚いた。 僕はガングロちゃんの友人のベッドをあてがわれ、彼女たちは床に布団を敷き眠ると言うのだ。 いや、僕が床で良いから!と強めに言っても、 「somos amigos!(私達は友達だから!)」と言って聞いてくれない。 こういうメキシコ人の暖かさも僕がメキシコに長く居てしまう理由の一つなんだろうなぁと思いながら、ありがたくベッドを使わせてもらう事にした。 翌朝、と言っても昼前に起きてティアンギス(曜日で決まってる市)に向かった。ガングロちゃんが僕に食べさせたいと言っていたゴルディータを食べに。

ゴルディータは太っちょを意味するのだが、トルティーヤを揚げて横から切れ目を入れてそこに様々な具を入れるスナックだ。

もっとスペイン語が操れれば、「共食いだな。」とマシュマロ系相手に言いたかった気もする。 それをガングロちゃんの友人を含め3人で食べた後、ローカルバスを乗り継いでトルーカの中心へと向かった。 僕が植物園に行ってみたいと伝えていたので、彼女達に案内してもらう事になっていたのだ。 コスモビトラルと言う名の植物園は、元々市場だった建物を改装し世界最大級のステンドグラスを持つ植物園に生まれ変わったと言う。

食事やバス代をほとんど払ってもらっていたので、植物園の入場券は僕が払う事にした。

日曜日と言う事もあり多くの観光客が居たが、ステンドグラスに囲まれた植物園は素晴らしいものだった。


日本庭園を再現したエリアには竹が植えられていたりして、なかなかの雰囲気だ。

目を引く灯籠があったので近づくと、メキシコ州と埼玉県の友好の印として日本から送られたものだと言う説明書きがあった。

この日は盆栽の展示会も行われていて、何だか日本感溢れる植物園だった。


来たい場所に来てテンションが上がり、1人歩き回ってしまった。ハッと気づくと疲れてしまったのか飽きてしまったのかベンチに腰掛ける彼女達の姿が目に入ってきた。 一通りステンドグラスも眺める事が出来たので、彼女達と話をし植物園を出る事にした。 腹が減った!とガングロちゃんの友人。 いつも腹が減ったって言ってない?と聞くと、「だから私達は太っちょなのである。」との解答を頂く。 太っちょネタはokだったのか。

その後、広場で行われていた大道芸を見たりソフトクリームを食べたりしながらトルーカの街を散策した。

気づくとトルーカを離れる時間になっていた。 自称「腐女子」を名乗るガングロちゃんと、セックスの際に使う日本語やスペイン語を教え合いながらトルーカのバスターミナルへ歩いた。 ターミナルへ着くと10分後に出るバスのチケットを買う事が出来た。 バスに乗り込む前、包容力満点の彼女達と長めのハグを交わした。バスが出るまで見送ってくれた彼女達の姿。 誰かにくっついて行けば良い、受動的な小旅行も終わってしまった。気どる事なく僕の相手をしてくれた彼女達に感謝だ。 いつの日かガングロちゃんに原宿を闊歩してもらいたい。もちろん、ガングロメイクで。
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